みなさんはトロンボーンの練習をするとき、教本を使っていますか?
たくさん練習をして上手になりたいけど、どんな練習をしたらいいかわからない!
基礎練習はしているけど、他にも練習するものがほしい!
プロや音大生はどんな教本を使っているの?
こんなお悩みがあるのではないでしょうか?
教本をよく読みよく練習すればただ上達できるだけでなく、どういう練習でどんな効果を得られるかがわかってきます。
ここではトロンボーンの代表的な教本とその特徴を解説していきます。
Contents
基礎練習をたすける教本
まず紹介するのは、日々の基礎練習の助けとなる2つの教本です。
ロングトーンやリップスラー・音階練習といった、トロンボーンの上達にかかせない毎日のトレーニングについて書かれています。
トロンボーンを始めたばかりの方。
部活などで合奏はしているけど基礎練習の習慣がなく、やり方もよくわからない方。
こんな方は、まずこの2冊をてにとってみて下さい。
どんな練習をしていけば良いかがハッキリとわかるはずです。
小田桐寛之/うまくなろう!トロンボーン
東京都交響楽団首席トロンボーン奏者の小田桐寛之氏が監修した教本。
- 楽器のしくみ
- 組みたて方
- 持ちかた
- お手入れ方法
- 毎日の基礎練習
などなど、トロンボーンの初心者のための基本中の基本がすべて書かれています。
教育者としてもたくさんの名手を育ててきた小田桐氏ならではの、愛情のこもった一冊。
トロンボーンを始めたばかりで右も左もわからない!という方は、まずこの教本をすみずみまでよく読むことをオススメします。
最低限の基礎練習も書かれていて、これからどうやって練習を組みたてていけば良いかがよくわかるはずです。
レミントン/トロンボーンのためのウォームアップ練習曲
アメリカの名門、イーストマン音楽学校で教鞭をとったエモリー・レミントン氏(Emory Remington)のアイデアがつまった教本。
- ロングトーン
- おそいリップスラー
- はやいリップスラー
- 音階
といったトロンボーンの基礎練習の基本中の基本が網羅されています。
この一冊で基礎練習の枠組みをしっかりと作ることができるでしょう。
すべて英語ですが、練習時に気をつけなければならない事も随所に書かれています。
トロンボーン吹きなら必ず読みこんでおきたい、必携の一冊です。
定番のエチュード(練習曲)
基礎練習が板についてきたら、エチュード(練習曲)にも挑戦してみましょう。
基礎練習はどうしても無機質なトレーニングの繰り返しになりがちです。
よりむずかしく、より音楽的な内容のエチュードも取りいれれば、日々の練習もさらに充実するはずです。
実践的な内容にふれることで、基礎練習の中でももっと強化したほうがいい部分も見えてくるでしょう。
アーバン/トロンボーンとユーフォニアムのためのコンプリートメソッド
フランスで名をとどろかせたトランペット&コルネットの巨匠、アーバン(Joseph Jean=Baptiste Laurent Arban)によって書かれた教本。
トロンボーンのための楽譜も編集されていて、近年では多くのトロンボーン奏者がこの本で学んでいます。
- ロングトーン
- 4分音符
- 8分音符
- 16分音符
- シンコペーション
- 6/8拍子
- ダブルタンギング
- トリプルタンギング
といったあらゆるパターンの短くシンプルな練習曲が無数にかかれていて、トロンボーンをとにかく正確に、そして自由に演奏するためのトレーニングをくり返すことができます。
後半になると途方もなく難しい曲もあり、まさにこの一冊にトロンボーンのすべてがつまっているといえるでしょう!
いくつか出版されていますが、オススメはジョセフ・アレッシ氏(Joseph Alessi)とユーフォニアム奏者のブライアン・ボーマン氏(Brian Bowman)が共同監修したもの。
とても分厚く重いのですがリング製本で開きやすく、巻末にはより音楽的な練習曲と簡単なデュエットが追加されています。
ロシュ(ボルドーニ)/メロディアスエチュード
17世紀にイタリアで活躍したテノール歌手のマルコ・ボルドーニ(Giulio Marco Bordogni)が作曲した、歌手のための練習曲をトロンボーン用に編集したもの。
メロディアスエチュードの名のとおり、おもにスラーのかかったなめらかな旋律を、自然に美しく歌いこむテクニックを磨くことができます。
また音域が絶妙に高めに設定されつつ、それなりに長い曲が多いので、高音域とスタミナをトレーニングすることができるでしょう。
1オクターブ下に読み替えればバストロンボーンの低音トレーニングにもなります。
どの曲も魅力的で、世界中のトロンボーン吹きに最も愛されている教本のひとつ。
コプラッシュ/60のエチュード
こちらは中・上級者向け。
ホルン奏者であったコプラッシュ(Georg Kopprasch)が作曲した60のエチュード。
もともとはホルンのためのエチュードですが、現在はすべての金管楽器のプレイヤーが愛用しています。
もちろん音域や記譜が調整されて、各楽器用に出版されています。
連符や跳躍・アルペジオが多く、音域も上から下まで幅広く書かれているこのエチュード。
難しい曲も多くありますが、音楽大学の入試課題曲でもよく使われている鉄板中の鉄板です。
トロンボーンを本格的に勉強して上達するためには避けて通れない教本といえるでしょう!
出版はさまざまありますがオススメは全音楽譜出版社のもの。
なにかと誤植が多いエチュードですが、全音版はしっかり修正されています。
通常は上巻と下巻にわかれているのが1冊にまとめられているのも嬉しいポイントです。
まとめ
トロンボーンを練習するなら必ずもっておきたい教本を5つ紹介しました。
すべてのエチュードをくまなく吹ききるにはとても長い時間がかかりますが、毎日コツコツと練習するうちに実力がついてくるのを実感できるはずです。
どの教本もそれぞれに違ったコンセプトがありますので、まずは手にとって読みこんでみましょう!
行き詰まったときには、気軽にご相談くださいね。
オンラインレッスン・対面レッスン・練習メニューの添削なども随時受けつけております!