トロンボーン

私がトロンボーンを吹く上で大切にしていること

みなさんはトロンボーンを吹く時にこういう音を出したい、こういう演奏がしたい、という理想を持っていますか?

もしくはこういう所が自分の強みだ、こういう所を大切にしている、といった部分でも良いです。

このような「演奏・練習をしていく上での基本的な考え方」をしっかりと決めておくことで、日々の練習をより意味のあるものにすることができます。

ここでは私自信の演奏者としてのポリシーについてお話します。

https://takesotrb.com/trombone-practice/

楽しむこと

演説じみた言葉に聞こえるかもしれませんが、私にとっていちばん大切なことです。

私は実は練習があまり好きではありません。
お仕事で演奏する曲は一生懸命練習しますが、基礎練習が特に嫌いなのです。
コツコツ積み上げるという感覚がどうにもピンとこないのです。

私は根がせっかちで、とにかく早く結果をだしたいタイプ。
逆になかなか結果の出ないことは「もういいや」とすぐにあきらめてしまいます。

そんな私でも、ずっと続けられるものがあります。
それはゲームや映画鑑賞、いわゆる遊びです。

TVゲームをしている時のように練習できたら、きっと毎日吹きたくてたまらない気持ちになりますよね!
特にプロを目指している人やコンクールで良い成績を収めたい人は

「できなきゃいけない」

「ミスしてはいけない」

という考えに囚われやすいです。
演奏を楽しんでこのストレスからどれだけ離れられるかが、継続と成長のカギとなるでしょう。

自由であること

これは“技術的に”自由であるという意味です。

例えば基礎練習をしている時に

  • 口がどういう動きをしているのか、どういう形をしているのか
  • 息の吸い方や吐き方、そのスピードや量
  • 体の動き、力を入れる場所

こういう事を誰でも考えると思います。
しかしこれはより効率よく・より高い精度で演奏するための手段であって、音楽の要素ではありません。

私にとって演奏するということは、頭の中に鳴っている音を楽器を通して外に出しているにすぎません。
ですから楽器を吹くときには自分の体に起きていることは考えず、無意識にすべての動きをコントロールしなければならいのです。

無意識に体が動き、技術的な不安から解放され、自由に音楽を作れる状態になる事をゴールに設定して、日々の練習に取り組むべきです。

そしてひとたびステージに立って誰かに音を届ける時が来たなら、失敗を恐れず体の動きは気にせず、あなたの音楽をすべてさらけ出してください!

いつも真ん中にいること

これは特にプロを目指す方に読んでほしい事です。

トロンボーンを演奏するときには、色々な音・吹き方がありますよね。

  • 大きい音⇔小さい音
  • 硬い音⇔柔らかい音
  • 明るい音⇔暗い音

さらには速く吹いたり遅く吹いたり、長く吹いたり短く吹いたり、誰かと吹いたり1人で吹いたり…。
これらはすべて必要なことであって、瞬時にどこへでも移動できるようにしておかなければなりません。

すべての要素にいちばん近い場所はどこでしょうか?真ん中ですよね。
それが「真ん中にいる」ということなのです。

もちろん人によって得意・不得意はあります。
私も苦手なことがたくさんあります。

ですが、たくさんの音楽に触れて取り入れ、様々な練習パターンの中で表現の手段を増やしていくことは、演奏者としての永遠のテーマではないでしょうか。
そしてそれこそが音楽の最大の魅力であり、演奏の醍醐味であると言えます!

ぜひすべての音楽を分け隔てなく愛し、あらゆる練習・吹き方に取り組んでみてください。

あなたのポリシーを

抽象的な内容もたくさんありましたが、私が大切にしていることをお話ししました。

ここで書いたことはほんの一例です。

大切なことはあなたが日々の練習を通して、自分はこうなりたい・自分のこういう所を大切にしたい、と思えることを見つけていくことです。

最初は私の真似でももちろん良いです。
憧れの奏者や先輩を目指す、でもいいです。

いつかは必ず「ここは譲れない」と思う時がきますから、とにかく日々の練習を楽しんで、コツコツ続けていきましょう。