ようこそ!
バストロンボーン奏者の武崎創一郎です。
広島交響楽団を中心に演奏活動をしながら、トロンボーン愛好家のコミュニティ作りやレッスンを行っています。
さて今回はブレストレーニングのお話。
みなさんは、ブレストレーニングを行っていますか?
呼吸の仕方は管楽器にとって
- 音色
- 音量
- 音程
などに関わるとても大切な技術です。
特にトロンボーン・ユーフォニアム・テューバなどの大きな楽器は、演奏するためにたくさんの息が必要になるので、日々のブレストレーニングは欠かせません。
ですが世の中には無数のブレストレーニングと、それについての理論があります。
結局どれをやればいいの?と迷ってしまいますよね。
ここでは、プロ奏者の私が18歳の時からずっと続けているトレーニングを紹介します!
私の練習は
- より多くの空気を出し入れできるようにすること
- よりスムーズな呼吸を身につける事
を目標にしています。
どちらもトロンボーンを吹く上で助けになるので、ぜひ取り入れてみて下さい!
Contents
プロトロンボーン奏者のブレストレーニング
ではさっそく、私が実施しているトレーニングを紹介します。
テンポ♩=60に設定します。
- 4拍息を吸う→4拍息を吐く、を4回繰り返す
- 3拍息を吸う→3拍息を吐く、を6回繰り返す
- 2拍息を吸う→2拍息を吐く、を8回繰り返す
- 1拍息を吸う→1拍息を吐く、を10回繰り返す
- 0.5拍息を吸う→0.5拍息を吐く、を12回繰り返す
これで完了です!
なかなかハードですよね?
ですが続けるうちに慣れてきますので、気楽に取り組んでみて下さい。
参考動画はこちら↓
ブレストレーニングで気をつけたいこと
上記のブレストレーニングに慣れてきたら、いくつかのポイントを気にしながらやってみましょう。
呼吸しやすい姿勢
ブレストレーニングがしやすい姿勢というのは、演奏しやすい姿勢に直結します。
ですが姿勢は人それぞれ違い、持っている課題も様々です。
まず基本として次の2点に注意しましょう。
- 両足を肩幅に開く
- 両足を平行にする
余程の強い癖がなければ、これだけで背中を反り過ぎたり猫背になったりを防げます。
もちろん演奏中必ずこの姿勢をとれ、とは言いません。
ふと思い出した時にこの姿勢に戻ってみて下さい。
ちなみにブレストレーニングをする時は立っても座ってもいいですが、座る時も一度上記の姿勢を作ってからそのまま座りましょう。
同じスピードで息を出し入れする
一番大切にして欲しい部分です。
4拍なら4拍、2拍なら2拍、決めた拍数の間常に同じスピードの空気を出し入れできるよう注意して下さい。
最初は4拍~3拍は長く感じると思います。
空気が早めに無くなったり吸いきってしまったりしてもいいので、少しずつ慣れていきましょう。
肺は満タンにならなくてもいい、吐き切らなくてもいい
最初の4拍では簡単に肺がいっぱいになるでしょうし、空っぽになるまで吐き切れるでしょう。
もちろん拍数が少なくなっても同じだけ吸える・吐けるのが理想ですが、当然2拍1拍と短くなれば難しくなってきます。
肺をいっぱいにする・吐き切るというのはあくまで目標なので、とにかく無理なく続けることを意識しましょう。
あったら便利なブレストレーニンググッズ
呼吸というのは体の中で起きていることなので、目には見えませんよね。
感覚に頼ってトレーニングをすると、遠回りになる事もあります。
呼吸を「見える」ようにする便利な道具を紹介しますので、ブレストレーニングをする時の
参考にしてみて下さい 。
エアバッグ
この記事で紹介したトレーニングにそのまま利用できます。
このエアバッグの中に空気を吹き込むことによって
- 息の量
- 息のスピード
を目で見て確認できます。
さらに吸い口が太い筒状になっているので、呼吸する時の口の形を「お」に固定できます。
この形を覚えれば瞬時にたくさんの息を吸いこめるでしょう。
トレーニングをした後は、よく洗ってドライヤーを使うか吊るして乾燥させてくださいね!
ブレスビルダー
ブレスビルダーは、吸気時の初速と安定したブレスコントロールを身につけるために役立ちます。
吸気の初速を鍛える
ホースをくわえ、最初に思い切り息を吸いこみましょう。
素早く・たくさんの空気を吸えていれば、ピンポン玉が上がります。
かなりのパワーが必要になるので、無理せず気長にトレーニングしましょう。
安定したコントロールを身につける
ピンポン玉が上がったらすぐに息を吐き、そのまま呼吸を繰り返します。
1分程度を目安にくりかえしましょう。
辛ければ休みながら続けて下さい。
絶えず吸う・吐くのどちらかができていれば、ピンポン玉が落ちてくることはありません。
キャップについている穴を塞ぐことで抵抗を上げることができるので、自分にあった圧力を探しましょう。
ちなみにピンポン玉は息を吹き込むことでも上げられます。
どうしても吸い上げられないときは、吹き込んで浮かせて下さい。
ブレストレーニングはトロンボーン上達の王道
私が日々こなしているブレストレーニングを紹介しましたが、私のやり方は「トロンボーンという大きな楽器をどうコントロールするか」という考えをもとに行っています。
とりあえず続けてみて欲しい練習ですが、肺活量や・なりたいプレイヤー像によって必要なトレーニングは変わってきます。
もちろん楽器によってもやりかたは色々あると思いますし。
ひとまず続けてみて思ったのと違うな、と思えばやり方を変えてもいいし、疑問があれば気軽にご相談ください!
様々な方法を試す時間は知識として必ず積み重なっていきますので、まずやってみてくださいね。